欧米人は80歳でも歯が20本、日本人はその半分! 歯の寿命に差が生まれる理由とは?プロのドクターが解説!|苦楽園口駅徒歩1分の歯医者|苦楽園口いしみね歯科・小児歯科・矯正歯科

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欧米人は80歳でも歯が20本、日本人はその半分! 歯の寿命に差が生まれる理由とは?プロのドクターが解説!

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欧米人は80歳でも歯が20本、日本人はその半分! 歯の寿命に差が生まれる理由とは?プロのドクターが解説!

【結論】日本人は“歯が悪くなる前に通わない”から歯が残らない

日本と欧米の大きな違いは、歯医者に行くタイミングです。

欧米では「歯が悪くなる前に通う」のが当たり前。一方日本では、「痛くなったら通う」文化が根強く残っています。

その結果、80歳で残っている歯の本数は、統計を比較すると、80歳時点で残っている歯の本数に明確な差が出ています。

地域 平均残存歯数(80歳)
欧米 約20〜24本
日本 約10本前後

と、2倍以上の差が生まれています。これは体の違いではなく、歯に対する考え方の違いで生まれた差です。

世界で差がつく“歯の寿命” その理由とは?

世界で差がつく“歯の寿命” その理由とは?

日本の歯科医療技術は決して低くありません。むしろ、精密治療や設備のレベルは世界的に高い水準です。
それでも歯が残らない背景には、「治す場所」という認識「症状が出たら行く」という習慣「治療したら終わり」という考え方が深く根付いていることがあります。しかし、虫歯も歯周病も痛みなく進行する病気です。
気づいたときには、すでに削る・神経を取る・抜歯になるケースも少なくありません。つまり歯の病気は、症状が出てからでは遅いのです。

欧米では「痛くなくても歯医者へ」が当たり前

アメリカや北欧などの予防歯科が進んでいる国では、歯科医院は「治す場所」ではなく、健康を保つための場所として捉えられています。
そのため、痛みがなくても、3ヶ月〜半年に1回の定期検診を受けることが習慣化されています。
検診では、虫歯や歯周病のチェックだけでなく、クリーニング、噛み合わせの確認、セルフケア方法の見直しなど、将来の口腔トラブルを未然に防ぐためのサポートが行われています。
まるで美容院やジムに通うような感覚で、生活の一部として歯のメンテナンスが根づいているのです。
この考え方の背景には、はっきりとした下記のような価値観があります。
「悪くなってから治療するより、悪くならないようにケアするほうが時間も費用も身体の負担も少ない。」
さらに欧米では、歯の健康がその人の印象や教育、生活習慣、自己管理力を表すものと考えられており、歯は“身だしなみ”や“自己投資”の一部として扱われています。
つまり、歯科医院に通うことは、健康を守るためだけでなく、自分自身を大切にするライフスタイルそのものなのです。

症状が出てからでは遅い理由

むし歯や歯周病は、気づかないうちに進む病気です。
初期のむし歯段階では痛みや違和感がほとんどないため、多くの方が「まだ大丈夫」「様子を見よう」と思ってしまいます。
しかし、その間にも病気は確実に進行しています。むし歯の場合、歯の表面にある硬い部分では痛みが出ません。
ところが、内側の象牙質まで進むと、ようやく「しみる」「噛むと痛い」といった症状が現れます。
この時点になると削る必要があり、治療の負担も大きくなります。
歯周病も同じです。歯ぐきの腫れや出血、歯のぐらつきなどの症状が出てきた頃には、すでに歯を支えている骨が減り始めています。
一度溶けてしまった骨は、元に戻すことが難しく、進行してしまうと抜歯につながることもあります。
多くの方が「痛くないから問題ない」と思いやすいですが、実際は痛みが出た時には治療が必要な状態になっていることがほとんどです。だからこそ、大切なのは症状がないうちにチェックすること。
早い段階で状態を確認できれば、治療せずに経過観察やクリーニングだけで済む場合もあります。
将来の治療の負担、時間、費用、そして失う歯を減らすためにも、早めの確認が何より重要です。

お口の健康=身体の健康

お口の健康=身体の健康

実は、歯周病や口腔内のトラブルは、口だけの問題ではありません。
近年の研究では、歯周病が全身の病気と深く関係していることが明らかになっています。
特に以下の疾患と関連が指摘されています。

糖尿病

炎症が体に広がることで血糖値のコントロールが悪化しやすくなります。
逆に、歯周病治療によってHbA1cが改善する例も報告されています。

心疾患・脳血管疾患

歯周病菌が血管に入り込むと、動脈硬化を進め、
心筋梗塞・脳梗塞のリスクが高まることがわかっています。

認知症

歯周病菌が脳に影響する可能性や、噛む力の低下が認知機能低下を招くことが指摘されています。
研究では、歯が残っている方の方が認知症リスクが低いとされています。

 誤嚥性肺炎

口の中の細菌が気管に入り込むことで起こる肺炎。
口腔ケアを続けることで発症リスクが大幅に減少することが示されています。

妊娠トラブル

歯周病は早産・低体重児出産のリスクを高める可能性があります。
そのため海外では妊娠中に歯科検診が義務化されている国もあります。

なぜ口と全身はつながるの?

私たちの体は、一見すると部位ごとに分かれているように見えますが、実はすべてが血液や神経を通じてつながっています。その中でも「口」は、食事の入り口であるだけでなく、全身の健康に影響を与える大切な器官です。特に歯周病や虫歯などの口腔内トラブルは、単なる“口の問題”にとどまらず、体全体に負担をかけることがわかってきました。なぜなら、歯ぐきに炎症があると、体内では「サイトカイン」と呼ばれる炎症性物質が作られ、それが血流に乗って全身をめぐってしまうからです。このサイトカインは、血管や臓器に炎症反応を起こし、動脈硬化や高血糖、免疫バランスの乱れなど、生活習慣病や心血管トラブルのリスクを高める要因となります。

さらに、歯周病が進行すると、歯ぐきの表面に小さな傷ができ、そこから歯周病菌そのものが血管内に侵入することがあります。この細菌は体のさまざまな場所に移動し、心臓では心筋梗塞のリスクを高め、脳では脳梗塞に関連し、妊娠中の方では早産や低体重出産の可能性を高めるなど、多くの疾患との関連が報告されています。特に高齢の方に多い誤嚥性肺炎は、口の中の細菌が原因になる代表的な例です。

厄介なのは、これらの口の病気が“痛みなく進行することが多い”という点です。患者さんの中には、「痛くないから大丈夫」と思われる方も多いですが、実際は気づかないうちに体の中では“じわじわと炎症が続いている状態”になっていることがあります。医学ではこれを「サイレント・インフラメーション(静かな炎症)」と呼び、放置すると体全体に負担が蓄積し、疲れやすさ、免疫力低下、生活習慣病の悪化などの形で現れてきます。

つまり、お口の健康を整えることは、単に歯を残すためだけではなく、全身の健康を守るための医療行為です。痛くなってから治療するのではなく、「悪くなる前にケアする」という考え方こそが、これからの時代のスタンダード。お口の健康は、そのまま身体の健康へとつながっています。

予防の習慣が「将来残る歯の本数」を左右する

歯をどれだけ残せるかは、治療の上手さや技術だけで決まるものではありません。
一番大きく影響するのは、“予防を続けているかどうか”です。
さまざまな研究で、定期的にメンテナンスを受けている方は、症状が出た時だけ受診する方に比べて、生涯で失う歯の本数が大幅に少ないことがわかっています。
これは、悪くなる前に小さな変化に気づき、必要なタイミングで対策できているからです。
メンテナンスでは、単に歯を掃除するだけではなく、

  • 歯石や細菌の膜(バイオフィルム)の除去
  • 歯周ポケットの深さチェック
  • 噛み合わせや歯の摩耗の確認
  • ブラッシングやフロスの使い方の見直し
  • 食習慣・生活習慣のアドバイス

など、今の状態に合わせたケアやアドバイスが受けられます。ここで行われているのは“治療”ではなく、
病気にさせないための管理。そして歯を守るためのサポートです。この考え方こそが、歯が長く残る人とそうでない人の違いです。
歯科医院に通うタイミングが、「痛くなってから」ではなく「何もなくても」になると、歯は驚くほど残りやすくなります。
日常の中に予防の習慣があるかどうかの積み重ねが、将来の歯の本数、噛む力、食事の楽しみ、健康寿命に大きな差を生むのです。

 

今の状態を知ることが、未来の歯を守る第一歩です

歯の健康は、噛む力や見た目だけでなく、食事の楽しさ、発音のしやすさ、自信のある笑顔、そして将来の健康寿命や生活の質にも深く関係しています。だからこそ、「困ってから行く」のではなく「困らないために行く」ことが大切です。

痛みがなくても、「このままでいいのかな」「そろそろチェックしたほうがいいかも」と感じる瞬間があるなら、それは今が見直すサインです。

当院では、患者様のお口の状態に合わせた丁寧な診断と、将来の歯を守るための予防計画をご提案しています。

治療が必要かどうかの確認や、相談のみでも問題ありませんので、安心してお越しください。

ご相談や検診をご希望の方は、下記よりご予約いただけます。24時間受付しておりますので、ご都合に合わせてお手続きください。

監修者プロフィール

苦楽園口いしみね
歯科・小児歯科・矯正歯科

院長 寺田 優

患者さまとの対話を大切にし、お一人おひとりに寄り添った丁寧な治療を心がけています。最新設備を活用し、できる限り歯を残す治療に努めています。
地域の皆さまが安心して通える歯科医院を目指して日々取り組んでいます。

経歴

大阪歯科大学卒業
大阪歯科大学附属病院 総合診療科 研修
医療法人信宏会 勤務
いしみね歯科クリニック夙川院 勤務
苦楽園口いしみね歯科・小児歯科・矯正歯科 院長就任

資格

インビザライン公認ドクター
床矯正(基礎/応用)修了
DIO インプラント・フルアーチ修了
ボツリヌス治療セミナー修了